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加齢黄斑変性とは、ものを見るときの視界の中心視野となる網膜の黄斑が加齢により傷み、「ものがゆがんで見える」「ものの真ん中が暗く見える」等の症状が出て、徐々に視力が低下し、ものが識別できなくなる病気です。完全に視力を失う失明とは違いますが、生活のクオリティに深刻な影響を与えることには変わりありません。

加齢黄斑変性の見え方

現在、わが国では50歳以上の約80人に1人が加齢黄斑変性に罹患していますが(約70万人)、発病する前段階の加齢黄斑をもつ母集団は、その数倍、すなわち推定500万人に達すると考えられています。

加齢黄斑の眼底・加齢黄斑変性の眼底

この病気は高齢になるほど増加する傾向があり、今後、超高齢化社会を迎えるわが国では加齢黄斑変性に罹患する人の割合がますます増えていくと予想されます。そこで、今回は加齢黄斑変性が発病するとき目の中で何が起こっているのか、どうすればこの病気を予防できるのか、最新の知見を加えて簡潔にお話したいと思います。

原因はまだよく分かっていませんが、生活習慣病と深く関わることが指摘されています。とくに心筋梗塞や脳卒中といった日本人の中、高年齢者に起こりやすい内科の循環器疾患と危険因子が相関することは興味深い事実です。加齢が原因となる病気は、血管が傷み、血液循環が悪くなる慢性炎症のメカニズムが働きます。高血圧や動脈硬化のある人の加齢黄斑では、網膜や脈絡膜の血液循環が悪くなっており、その状態で持続的に網膜に光刺激を受けてものを見ていると、やがて加齢黄斑変性が発病します。

予防には、働き盛りの時から高脂血症や高血圧、糖尿病などを放置せず、検診で生活習慣病を指摘されたら、内科を受診し、早急に治療を始めることです。運動、食事と栄養バランス、禁煙による適正な生活習慣の規律は非常に重要です。高脂肪、高カロリーの欧米型の現代の食事は、野菜や果物の摂取が相対的に少なく肥満や動脈硬化を招き、発病の危険因子が増大します。また加齢に伴い、網膜の黄斑色素が減少すると発病しやすくなることからOcular Nutrition(眼球のための栄養摂取)によって発病を予防しようと考えられるようになりました。食事の時に加齢黄斑の機能を維持するサプリメント(栄養補助食品)を摂取して、加齢黄斑変性の発病を予防する方法です。

つい最近、加齢黄斑に対して新しい眼科用サプリメントが相次いで発売されました。ボシュロム社のOcuvite®(オキュバイト)50+や参天製薬のサンテルタックス20+DHAは、黄斑の視細胞維持には必要不可欠な栄養素であるルテイン、ゼアキサンチン、オメガ3脂肪酸を含みます。ルテインとゼアキサンチンは体内に吸収されると網膜では黄斑色素を構成し、光刺激に対するフィルターとして働き、視細胞を保護します。オメガ3脂肪酸は細胞代謝や細胞膜合成に関わる栄養素ですが、加齢による組織の慢性炎症を抑えて、生活習慣病で血液循環の悪くなった網膜、脈絡膜の環境を修復します。サプリメントとして補給されたルテイン、ゼアキサンチンとオメガ3脂肪酸が協同して、視細胞の生存や機能維持に重要な黄斑の環境を整備することにより、加齢黄斑の進行や加齢黄斑変性の発病を抑える有効な手段と成り得ることがわかりました。これらの新しいサプリメントは、当院で販売しています。

加齢黄斑変性は、一旦発病すると視力を維持するための治療に高額な医療費が必要になります。今回、目の疾患と生活習慣病の関連がまた一つ明らかになり、有効な対策が示されました。目は全身状態を映す鏡とも言われます。日頃から体の健康に関心を持ち、予防に重点を置くことによって、年をとっても健康な目を維持できる方法があるのです。50歳を過ぎたら、眼の健康のために一度お近くの眼科を受診されることをおすすめします。


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