1.白内障の病気と症状
白内障とは、目の水晶体が濁ってきて視界が眩しくなったり霞んだり、視力が低下する病気です。 多くの人が加齢とともに視力が低下していきますが手術によって治り視力も回復します。白内障は、水晶体の濁りの程度や位置によって、いろいろな症状が現れます。初期症状時はほとんど症状が現れないか、少し霞んで見える程度の場合があります。また徐々に進行するため気付きにくい病気です。
場所と働き
正常の眼では水晶体は光をよく通します。「ものがよく見える」ためには、目がピント合わせをしなければなりませんが、この仕事をおもに水晶体がしています。つまり外からの光を目の中に取り入れて集めるレンズの働きがあるのです。
水晶体が濁る理由
レンズである水晶体の特徴は、透明度が高く、そのため人体の中でタンパク質の含有量が最も多いのです。反面、タンパク質は加齢やストレスに弱く、変性しやすいので、水晶体が濁っていきます。このような状態では光が散乱して目の中に入りにくく、ピント合わせの仕事も思うように出来なくなります。
白内障の症状
症状は、かすむ、にじむ、まぶしい、みにくい、二重に見えるなどですが、一言で言うと「光に対して弱く疲れる」症状になります。また、自覚症状がなくても、視力が出ない、メガネが合わないといった訴えが出るようになります。
白内障の有病率
40歳以上は初発白内障が発生する年齢で、その後、水晶体が濁っている確率は、年齢と同程度のパーセント%です。その中で自覚症状が出るのは更に半分程度と考えられています。ただ、外出するとき、今まで必要なかったサングラスが欲しくなったり、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病がある方は予想以上に白内障が進んでくると言えるでしょう。
白内障の予防方法
加齢は仕方がありませんが、生活習慣病は放置せず、積極的に体調管理に気を遣うことです。白内障を予防する点眼薬と内服薬があります。おもに作用は2通りで、水晶体混濁を起こす刺激を予防するものと目の中の代謝を改善するものに別れます。また医薬品ではありませんが、ルテインなどサプリメント(医薬部外品、補助食品)を摂取することも光刺激を予防する効果があると言われています。ただしいずれの薬も一旦変性して濁った水晶体のタンパク質を透明に戻すことは出来ません。
■ 水晶体混濁を起こす刺激を予防する(水晶体タンパクの変性を阻害)
点眼薬/カリーユニ、カタリン、カタリンK
サプリメント/ルテイン、マルチビタミン
■ 目の中の代謝を改善する (水晶体の代謝をよくして透明性を保つ)
点眼薬/タチオン
内服薬/チオラ、タチオン
白内障はある程度、水晶体混濁が進んでしまうと症状は永続的になります。よほどの事がなければ白内障で失明することはありませんが、現代生活では、ほとんどの情報が目から入ってきますので、中高齢者においても目を使う頻度は、以前と比較にならないほど多くなっています。白内障は眼精疲労の原因になりますので、まだ見えるからと言って我慢せず、適当な時期に手術を行ったほうが良いでしょう。